保障性商品(死亡時の遺族保障を目的とする定期保険など)では死亡率などの要素が絡むため、貯蓄型商品(個人年金、一時払い養老保険など)に比べ金利設定が経営に与える影響は比較的小さかった。 ところが80年代後半以降、生保の予定利率が長期市場金利に比べて高くなったことがあり、そういう時期に一時払い養老保険や個人年金などの貯蓄型商品の契約が増加したため調達コストは上昇した。
しかも保険金や年金支払いに対する備えも従来以上に求められるようになった。 最近生保がALM体制の充実を目指すようになった背景はまさにそこにある。
貯蓄型保険商品の増加傾向は、高齢化社会に向けて今後も続くと考えられる。 したがって負債の面をみれば、ますますコストが上昇するおそれがあり、それに見合った運用のリターンを確保しなければならない。
従来の生保の運用パターンは、大まかにいえば、外債投資のように高い利回りで配当原資を確保するのが第一で、キャピタルロスや為替差損が出ても株式含み益を実現して埋め合わせるやり方であった。
ところが最近の株式市況の低迷により、銀行と同様に生保の株式含み益も急減している。 いきおい安全性が高く、キャッシュフローを生む資産へのシフトを図らざるをえない。 年金も保険と同様に複雑な計算のうえに成り立っている。
ここでいう年金とはいわゆる企業年金のことであり、年金ALMの考え方は70年代以降米国で発展をとげた。

米国では年金は事実上企業会計に組み込まれており、企業はいやおうなしに年金を金融ビジネスとしてとらえ、その運営のあり方についての議論を行い、運用のノウハウを深めていった。

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